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オーガニック・キッチン通信 作る人の想いも一緒に「いただきます」
2016年3月号

かぎろひ屋

夫婦それぞれの想いを形にした“農ある暮らし”

キャプション 宇野さんご夫婦
キャプション 宇野さんご夫婦

長野県伊那市の畑で野菜を作っている「かぎろひ屋」の宇野さんご夫婦。オーガニック・キッチンが7年前にスタートした当時から、ズッキーニ、茄子、トマト、いんげんなどの夏野菜を中心に、たくさんの野菜を届けてくれています。もちろん化学肥料・農薬不使用です。

もともとODAなどの建設コンサルタントの仕事をしていた宇野さん。その後『オルター・トレード・ジャパン』ではフィリピンのネグロス島の開発援助として農業支援を行っていたそう。人々の自立のためにはプランテーションでの過酷な労働ではなく、個々が昔ながらの化学肥料・農薬に頼らない自給生活(自分の食べ物は自分で作る)が必要だと唱え、実現のためのしくみづくりを行っていました。

その経験を生かし、16年前に長野県伊那市で農業法人『かぎろひ屋』を設立して野菜づくりをはじめた宇野さん。

「キレイな空気と水、そしてこの土地に流れる『気』が気に入ってます。」とおっしゃる奥様の順子さん。ご主人と一緒に野菜作りをする前は、多摩市聖蹟桜ヶ丘で有機野菜の販売&レストラン「おておて屋」を運営されていました。

 「健康な人は病気になりにくいのと同じで、本当に元気な野菜は病気にも強いし虫もつきにくいんですよ。」とおっしゃる宇野さん。夫婦二人三脚で常時40~50種類の野菜を作っていて、いつもとれたて野菜を畑からオーガニックキッチンへ直送してくれます。

 

よりよい暮らしを目指して

キャプション 2015年12月27日に行われたLURAの会の餅つき大会。約40名が集まり、賑やかな会となりました。
キャプション 2015年12月27日に行われたLURAの会の餅つき大会。約40名が集まり、賑やかな会となりました。

また、野菜作りと並行して取り組んでいるのが会員制参加型農業『LURAの会』。年会費を納めた会員が宇野さんたちと一緒に農作業を手伝いながら野菜づくりに関わっていくというもの。通常、その年の収穫量によって農家の収入は左右されますが、会費という形で安定収入が見込めます。

一方、会員は1年を通して開催されるさまざまなイベントに参加することで野菜づくりを体験し、自分で食べる野菜が成長してゆく過程をみんなで共有します。

「2008年公開の『ブタがいた教室』という映画では、学校で子豚を育てて最後にはみんなで食べるのですが、子供たちは毎日一緒に過ごして可愛がってきた豚を食べるなんて!と考え、悩みます。でも、お店には普通に食材として豚肉が売られてみんな普通に食べている…。野菜だって同じです。お店に並んでいるのは単に“食材”としての野菜。でも、大地で命を育んだ“いきもの”だということをを多くの人に実感しながら食べて欲しい…。もっと食べ物の生産現場に近づいて感じて欲しいです。」と熱く語る宇野さん。野菜づくりを通して環境、地域の人の暮らしの本当の豊かさを追求しています。

 

 

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