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オーガニック・キッチン通信 作る人の想いも一緒に「いただきます」
2021年9月号

農事組合法人東町自然有機農法

しらさぎが舞う ミルキークイーン発祥の田んぼから

_DSC3103-3.png 代表の 大野満雄さん。戦国時代から続くお米農家の23代目

オーガニック・キッチンの今年の新米は、茨城産の「有機しらさぎミルキークイーン」。粘り気が強くもちもちとした食感で、冷めてもおいしいのが特徴です。

作っているのは、茨城県稲敷市で代々続くお米農家の大野満雄さん。先代のお父様は日本で最初にミルキークイーンを栽培した先駆者で「コシヒカリを超えるおいしさ」と評判を呼びました。今では全国各地で作られる人気の品種です。

_DSC3103-3.png 代表の 大野満雄さん。戦国時代から続くお米農家の23代目

有機栽培でも先駆的存在

_DSC3117.png 現在、「農事組合法人」として9件の農家と有機栽培に取り組んでいます。大きな倉庫の壁面には「しらさぎミルキークイーン」のイメージデザイン

有機栽培をはじめたきっかけは、昭和40年代以降の減反政策として行われた「輪作」でした。田んぼの3分の1を畑にして大豆などを植え、数年ごとに田んぼと畑の場所を変えていたそうです。そんな中、畑で作物を作った翌年に稲を育てると雑草がとても少なくなることに着目し「農薬を使わないお米作りができるのでは」と、茨城県事業の先導式稲作技術改善モデル地区として無農薬栽培(※注)に取り組むようになりました。

_DSC3117.png 現在、「農事組合法人」として9件の農家と有機栽培に取り組んでいます。大きな倉庫の壁面には「しらさぎミルキークイーン」のイメージデザイン

自然のバランスの中で

キャプション 田んぼの生き物を求めてしらさぎが舞い降ります
1V4A1220.png 田んぼの生き物を求めてしらさぎが舞い降ります

農薬や化学肥料を使わない田んぼにはドジョウやゲンゴロウなどの生き物だけでなく、雑草もとても元気に育ちます。雑草に負けてしまうと稲は育ちませんが、ある程度の雑草は稲の「生きよう」とする力に刺激を与えます。自然の力をうまく利用しながらちょうどよいバランスを保つことで、強くて健康な稲が育ちます。

 

「三方よし」の米づくり

キャプション 田んぼに毎日立って稲の声に耳を傾けます

「有機栽培は大変だけどおもしろいですよ。生きる指針が見えてくるんです。」と大野さん。 稲の「子孫を残す」ための力強い生命力は、自分の生き方について考えもさせられるといいます。

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私たちのお米作りは『作物が「健康」に育つこと』『食べた方が「健康」になること』『作り手も「健康」であること』の三方よしの想いを込めています。(HPより)

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農薬や化学肥料を使わずに『いいお米を作っている』という自負をもちながらも、約10年前の大野さんはメタボ体形で健康な体とは言えなかったそうです。

そんな時に起こった東日本大震災で、稲敷市も液状化などの被害を受けお米作りができない事態に直面しました。今まで当たり前だったことがいかに幸せなことだったのか、自分はこのままで良いのかと考えたとき「自分は健康でないのにお米にばかり健康を求めていた。」ことに気がついたのです。

「自分の体と心が健康なら、田んぼの状態や稲のちょっとした変化に気づいてケアすることができます。稲と対話をしながら健康なお米を作り、そのお米を食べた人も健康になる。それが「三方よし」の私のお米づくりです」と話す大野さん。今では健康な体で田んぼに立ち、毎日稲と向き合っています。

_DSC3102.png 田んぼに毎日立って稲の声に耳を傾けます

おいしいお米、できました

キャプション 一粒一粒に稲の「生きる力」が詰まったお米です
1V4A1237.png 一粒一粒に稲の「生きる力」が詰まったお米です

今年も、生き物でいっぱいの田んぼでたくましく育った「有機しらさぎミルキークイーン」が収穫期を迎えました。オーガニック・キッチンのお弁当で新米をお楽しみいただけます。「ごはんに合うおかず」を取りそろえた日替わりメニューで、大野さんの想いがこもったおいしさを是非味わってみてください。

 
 
(※注)1999年にJAS法が改訂され、有機農産物やその加工食品に関する日本農林規格が制定されましたが、大野さんが農薬や化学肥料を使用しない取り組みを始めた当時は「無農薬栽培」と呼ばれていました。(現在は「無農薬栽培」という表記はできません) 
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