しらさぎが舞う ミルキークイーン発祥の田んぼから
オーガニック・キッチンの今年の新米は、茨城産の「有機しらさぎミルキークイーン」。粘り気が強くもちもちとした食感で、冷めてもおいしいのが特徴です。
作っているのは、茨城県稲敷市で代々続くお米農家の大野満雄さん。先代のお父様は日本で最初にミルキークイーンを栽培した先駆者で「コシヒカリを超えるおいしさ」と評判を呼びました。今では全国各地で作られる人気の品種です。
有機栽培でも先駆的存在
有機栽培をはじめたきっかけは、昭和40年代以降の減反政策として行われた「輪作」でした。田んぼの3分の1を畑にして大豆などを植え、数年ごとに田んぼと畑の場所を変えていたそうです。そんな中、畑で作物を作った翌年に稲を育てると雑草がとても少なくなることに着目し「農薬を使わないお米作りができるのでは」と、茨城県事業の先導式稲作技術改善モデル地区として無農薬栽培(※注)に取り組むようになりました。
自然のバランスの中で
農薬や化学肥料を使わない田んぼにはドジョウやゲンゴロウなどの生き物だけでなく、雑草もとても元気に育ちます。雑草に負けてしまうと稲は育ちませんが、ある程度の雑草は稲の「生きよう」とする力に刺激を与えます。自然の力をうまく利用しながらちょうどよいバランスを保つことで、強くて健康な稲が育ちます。
「三方よし」の米づくり
「有機栽培は大変だけどおもしろいですよ。生きる指針が見えてくるんです。」と大野さん。 稲の「子孫を残す」ための力強い生命力は、自分の生き方について考えもさせられるといいます。
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私たちのお米作りは『作物が「健康」に育つこと』『食べた方が「健康」になること』『作り手も「健康」であること』の三方よしの想いを込めています。(HPより)
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農薬や化学肥料を使わずに『いいお米を作っている』という自負をもちながらも、約10年前の大野さんはメタボ体形で健康な体とは言えなかったそうです。
そんな時に起こった東日本大震災で、稲敷市も液状化などの被害を受けお米作りができない事態に直面しました。今まで当たり前だったことがいかに幸せなことだったのか、自分はこのままで良いのかと考えたとき「自分は健康でないのにお米にばかり健康を求めていた。」ことに気がついたのです。
「自分の体と心が健康なら、田んぼの状態や稲のちょっとした変化に気づいてケアすることができます。稲と対話をしながら健康なお米を作り、そのお米を食べた人も健康になる。それが「三方よし」の私のお米づくりです」と話す大野さん。今では健康な体で田んぼに立ち、毎日稲と向き合っています。
おいしいお米、できました
今年も、生き物でいっぱいの田んぼでたくましく育った「有機しらさぎミルキークイーン」が収穫期を迎えました。オーガニック・キッチンのお弁当で新米をお楽しみいただけます。「ごはんに合うおかず」を取りそろえた日替わりメニューで、大野さんの想いがこもったおいしさを是非味わってみてください。