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オーガニック・キッチン通信 調味料を選ぶ
2018年9月号

近藤醸造(株)

醤油を選ぶ

キャプション 代表の近藤寛さん

オーガニック・キッチンが使う醤油は近藤醸造(株)の「キッコーゴ醤油」。まろやかでコク深く、どんな食材にも合う醤油です。清流が流れる緑豊かな秋川渓谷の入口にある近藤醸造(株)は東京都で唯一の醤油の蔵元で、創業は明治41年。110年間にわたりこの地で醤油を造り続けています。

夏空が広がる7月下旬に近藤醸造(株)を訪ね、4代目の代表・近藤寛さんにお話を伺いました。

キャプション 代表の近藤寛さん

東京で唯一の醤油蔵を訪ねて

キャプション 明治41年、創業時に交付された醤油製造免許書のコピーを展示

昔は地域ごとに醤油の蔵元があり、近所の人が空きビンを持ち込んで量り売りで醤油を売る、というのが当たり前の光景でした。近藤醸造も増戸村(当時)の醤油屋として人々の生活になくてはならない存在でした。

ところが、昭和に入った頃から近代化した工場で醤油が作られるようになりました。原料は丸大豆ではなく脱脂加工大豆(※注)を使い、本来1年かかる醸造を3ヶ月に短縮する速醸技術で作られる醤油が一般的になったのです。大手メーカーの大量生産により、手軽な価格の醤油が広く出回り、昔ながらの醤油蔵元の数は減っていきました。

キャプション 明治41年、創業時に交付された醤油製造免許書のコピーを展示

丸大豆を天然醸造で

キャプション 原料の丸大豆

昭和40年代。時代の流れで近藤醸造でも脱脂加工大豆や添加物を使っていましたが、大手の大量生産には到底かなわず、経営の危機に直面しました。大手メーカーに対抗するには、大手ができないことをすれば良い。そう考えた先代の3代目・近藤功さんは、あえて原点に帰ることにし、昔ながらの国産丸大豆、天然醸造、化学調味料無添加に切り替えることにしたのです。思い切った方向転換ができたのも、小規模メーカーの強みです。

当時、高度経済成長の副作用として公害による健康被害が問題になっていたこともあり、功さんは「昔ながらの自然な食材」は今後必ずニーズが出てくるという確信がありました。その読みどおり、すぐに生協などの食にこだわる共同購入団体から多くの引き合いがあり、徐々に売り上げをのばしてきました。

現在流通している醤油の約77%は脱脂加工大豆が原料で、丸大豆を使用しているのは約23%。そのうち、キッコーゴ醤油のように国産大豆を使っているのはわずか4%。とても希少な醤油なのです。

キャプション 原料の丸大豆

秋川渓谷の自然が育む醤油

キャプション 仕込み蔵。蔵に住んでいる菌と秋川の空気でじっくり熟成

「昔は丸大豆で作るのが当たり前でした。大豆に含まれる油も一緒に熟成させるので、コクや風味が違います。水は奥多摩の伏流水でミネラルたっぷりの井戸水を使います。木桶が並ぶ仕込み蔵では、蔵に住む菌と秋川渓谷の自然に育まれ、1年かけてじっくり熟成させます。まさにここの風土が造り上げる、ウチでしか造れない醤油なんです。」と胸を張る4代目・近藤寛さん。
また、地元食材とのコラボ商品の開発やあきる野市の小学校の社会科見学、近隣住民を招いた直売会など、地域に根差したさまざまな活動に積極的に取り組んでいます。

「ゆくゆくは『見学コース』を整え、醤油づくりのおもしろさを多くの人に知ってほしいと思っています。東京都で唯一の蔵元として、この地域全体を盛り上げたいです。」と、熱く語ってくださいました。オーガニック・キッチンのお弁当は、煮物、炒め物、各種ソースはもちろん、下味にもこの「キッコーゴ醤油」を使っています。秋川渓谷の水と風が育む醤油で調理したお弁当、今日も心を込めてお届けします。

キャプション 仕込み蔵。蔵に住んでいる菌と秋川の空気でじっくり熟成

キッコーゴ醤油ができるまで

天然醸造

もろみの醸造期間中「酵素」や「酵母」等を添加せず、人工的な温度管理もしない。
その土地の気候風土の中で長期間自然熟成させます。

キャプション

原料

【大豆】北海道産の非遺伝子組み換え丸大豆
【小麦】北海道産の非遺伝子組み換え小麦
【水】敷地内の井戸からくみ上げる奥多摩の伏流水
【塩】オーストラリア産天日塩

キャプション
キッコーゴ醤油ができるまで
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