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オーガニック・キッチン通信 作る人の想いも一緒に「いただきます」
2018年6月号

三尾農園

日本一の梅の里を訪ねて②

梅-三尾-お弁当.jpg 代表の三尾保利さん

日替わりメニュー「豚バラ大根の梅ごまソース」「いわしの梅照り焼き」などの調味料として使う「練り梅」は、和歌山県日高郡みなべ町で自然栽培の梅を育てている三尾農園のものです。

海岸から200メートル。海を見下ろす温暖な梅畑で、約30年前から農薬や化学肥料を一切使わずに梅や柑橘類を栽培している三尾保利さん。オーガニック・キッチン設立当時からのお付き合いです。「ようこそおいで下さいました。」と屈託のない素敵な笑顔で出迎えて下さいました。

梅-三尾-お弁当.jpg 代表の三尾保利さん

 

食べるものを変えたら健康になった! 植物も同じです

梅-三尾-海とうめ.jpg 潮風と太陽の光をいっぱい浴びて実る南高梅
梅-三尾-海とうめ.jpg 潮風と太陽の光をいっぱい浴びて実る南高梅

 三尾さんが自然栽培に切り替えようと考えたきっかけは、一冊の本だったそう。「食と健康のかかわりについての本を読んで、自分たちの食事を玄米菜食に切り替えてみたのです。すると、体調が明らかに良くなったんです。正しい食べ物が健康な体を作るのだと実感しました。そしてそれは植物も同じだなと思いました。植物の食べ物は土(の養分)だから、そこに化学的なものを入れるのは逆効果だと考えたのです。」と笑顔で語る三尾さん。

 最初はうまくいかず、大変な思いもしたそうです。それでも、「命を育む食べ物に、化学物質はなんとしても使いたくない!」という想いを持ち続け、一つ一つ乗り越えてきたそうです。

植物としての生命力が違います

梅-三尾-海.jpg 南紀白浜にほど近い山の中腹で天日干し。美しい海が広がります
梅-三尾-海.jpg 南紀白浜にほど近い山の中腹で天日干し。美しい海が広がります

三尾さんの梅畑のすぐ下には太平洋が広がっていて、とても開放的で気持ちの良い場所。ここの梅たちはこの素晴らしい景色を毎日眺めながら元気にすくすく育っています。
「よく、『果実の栽培は農薬を使わないと、虫の害が多くなるのでは?』と聞かれますが、実はその逆で、植物が健康なら虫は寄って来ません。虫が来るということは、その植物のバランスが崩れているということなんです。病気の部分を虫は食べに来てくれているのですよ。」と三尾さん。終始笑顔の絶えない三尾さんの明るいお人柄も、おいしい梅干しを作る秘訣かもしれません。
「農薬を使わないので収穫量は7割程度ですが、植物としての生命力が違います。食べるものの大切さをつたえていきたいですね。」と笑顔で語る三尾さんですが、その言葉に30年間ずっとブレずに持ち続けてきた、食の原点についての強い信念を感じました。

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