メニュー
オーガニック・キッチン通信 対談
2018年4月号

スパイス薬膳弁当発売1周年記念対談

~消化力がきれいの秘密~アーユルヴェーダ的空腹ノススメ

キャプション 香取薫さん(インド・スパイス料理研究家)・高瀬媛子さん(女優)・浦美樹子(オーガニック・キッチン代表)
キャプション 香取薫さん(インド・スパイス料理研究家)・高瀬媛子さん(女優)・浦美樹子(オーガニック・キッチン代表)

インド・スパイス料理研究家・香取薫さん監修のアーユルヴェーダ弁当「きれいな人のためのスパイス薬膳」。昨年4月の発売以来、多くのお客様からご好評をいただいています。今回は1周年を記念して香取薫さんと、アーユルヴェーダに造詣の深い女優の高瀬媛子さんにお話を伺いました。

 

きれいな人のためのお弁当

キャプション 香取薫さん

浦:発売以来アーユルヴェーダのお弁当はとても反響があります。

高瀬:以前はスパイスというと「辛い」というイメージが一般的でしたが、最近では漢方と同じ薬膳なのだということが周知されてきた印象です。「スパイス薬膳」を毎週食べ続けて体調が良くなることを、多くの人に実感してもらいたいです。

香取:アーユルヴェーダは5千年も前からインドで脈々と受け継がれてきた幸福に生きるための知恵です。インドのお母さんは家族の体質や体調を考えてスパイスを調合します。例えば豆や芋を使う時はお腹でガスが溜まらないようなスパイスを合わせたり、消化するのに時間がかかる肉類などには消化を助けるスパイス、という風に。身体を冷やす・温めるなども含めて、アーユルヴェーダの古典書に書かれているようなスパイスの使い方を大切にしています。

高瀬:アーユルヴェーダでは特に「消化する力」を大切にしています。消化力が高まると、お通じも良くなり、むくみも解消されて肌の調子が良くなることを感じますね。

浦:女性にとって美肌はうれしいですよね。それを目指して「きれいな人のための」としました。

キャプション 香取薫さん

「消化力」って何?

キャプション 高瀬媛子さん

浦:時々、お客様から「カロリー控えめは嬉しいけど、すぐにお腹が空いて夜までもたない…」という声をいただきます。量を増やしたほうがいいのか迷います。

香取:量が少ないと感じるかもしれませんが、アーユルヴェーダ的に健康を考えた、適切な量にしています。食べたものは消化されてこそ血になり筋肉になり体組織になってゆきます。骨にも生殖器官にも心にも、「消化」が影響してゆく…。でも、適量を超えて消化されないと、栄養として認識されず毒になってしまうことも。

高瀬:やはり食べすぎて眠くなるのは考えものです。アーユルヴェーダでは腹7分目と言っています。

香取:食べすぎると胃はキャパオーバー。疲れて「ああもう無理!」となって、血や筋肉になれないような粗雑なこなし方で先送りする…。これが「アーマ(毒素)」になってしまうのです。体組織や元気の素になるはずだったのに、アーマになるなら逆に困った侵入者ですよね。だから元気に胃が仕事をしてくれるような組み合わせや量で、スパイスという助っ人を足して料理をする。このお弁当はそういう発想なんです。どうしても食べ足りない時はスープを添えるといいですよ。

高瀬:「アーマ」を「未消化物」と言い換えてもいいですね。食べすぎは未消化物を生み、体調不良やさまざまな病気を引き起こしてしまいます。

キャプション 高瀬媛子さん

 

「お腹が空く」が大事!

DSC_8125.jpg 香取さんのキッチンスタジオ「ペイズリー」にはスパイスがズラリ。季節や体調を考えてスパイスを調合します。
DSC_8125.jpg 香取さんのキッチンスタジオ「ペイズリー」にはスパイスがズラリ。季節や体調を考えてスパイスを調合します。

浦:「アーマ」と「消化力」、少し分かってきました!そうは言っても腹痛などの自覚症状がなければ「自分はちゃんと消化できている」って思っていて、「特に消化力を上げる必要ないかな」って感じる人も多いかもしれません。

香取:栄養バランスを考えるのと同じように、私たちは「消化力」についてもっと考えるべきです。飽食の時代と言われる今、食べ過ぎてる人はやはり多いと思います。お腹がすくとすぐに何か食べてしまう…。これでは胃は1日じゅう休みなしです。次の食事の前にお腹が空く感覚をもっと大切にしてほしいですね。長年アーユルヴェーダを実践している人は食事をして2時間ぐらいでお腹が空いてくると「よし、ちゃんと消化できたな」って普段から空腹感を意識しています。

浦:小腹がすくとスナック菓子、というのは一番ダメですね。

香取:そうですよ!でも、次の食事までの間に何か食べたくなったら、果物がオススメです。季節のものを、適量ね。

高瀬:食事と食事の間にちゃんとお腹がすくのが本来の食べ方ですよね。

香取:そうです。良い食材とスパイスの効能、きっちり消化、そして空腹感。普段から「消化力」を意識した生活をしたいですね。この「スパイス薬膳」を通じて1人でも多くの人にアーユルヴェーダを身近に感じてもらいたいです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

2年目に突入の「スパイス薬膳」。4月スタートの春メニューでは、身体の中の「毒素(アーマ)をデトックス」がテーマ!昨年の春メニューがさらにおいしくなって新登場です。継続的に食べることで自分の体調を知り、消化力を上げることの大切さを、ぜひ実感してください。

 

 

香取薫(かとりかおる)
インド・スパイス料理研究家/料理教室「キッチンスタジオ ペイズリー」 主宰
1985年、ボランティアで訪れたインドでスパイス料理に魅せられ、本格的に研究を始める。主宰する料理教室の生徒数は2000人を超え、多くのカレー店主やインストラクターを輩出。2013年には日本テレビ「3分クッキング」のレギュラー講師として出演。

高瀬媛子(たかせあきこ)
女優/マハリシ・アーユルヴェーダ・ケアアテンダント
女優としてドラマやCMで活躍。「キッチンスタジオ ペイズリー」でスパイス料理を学び、現在、インストラクターとして特別講座を受け持つ。日頃からアーユルヴェーダを生活に取り入れ、食、料理、美容、健康についてブログ、インスタグラムで発信。

 

 

 

 
トップへ戻る
クリックでナビゲーションを閉じます。