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オーガニック・キッチン通信 作る人の想いも一緒に「いただきます」
2016年7月号

石井農園

就農9年目。埼玉のスゴ腕農家は29歳

キャプション 石井農園から送られてきたヤングコーン。期間限定でお弁当に入りました。

東京から関越道でおよそ1時間。埼玉県児玉郡上里町で農薬・化学肥料・動物性有機肥料を使わずに野菜を作る石井農園さんを訪ねてきました。みなさんに召し上がっていただいている大根やヤングコーン、枝豆の生産者さんです。

キャプション 石井農園から送られてきたヤングコーン。期間限定でお弁当に入りました。 ;

上里の風土の恵みを

キャプション 畝の間に生える雑草を鋤き込んで「緑肥」にします

5月の爽やかに晴れた日曜日。案内された畑には収穫間近の美味しそうな赤玉ねぎがズラリと並んでいました。石井さんの野菜は『動物性有機肥料を使わない』栽培方法で作られています。

「畑に生えてくる雑草を細かく刻んで土に鋤(すき)込むと、土の中の微生物の作用でとても良質な堆肥『緑肥』になるんです。雑草というのはこの土地の風土に合せて自然に生えてくる植物だから、雑草で作った『緑肥』はこの風土に合っているんです」と石井さん。なるほど、堆肥も風土の恵み、『地産地消』というワケですね。

キャプション 畝の間に生える雑草を鋤き込んで「緑肥」にします

大学で農業を学んで就農

キャプション 石井農園代表の石井さん

「子供の頃、近隣の畑に散布された農薬のせいで健康を害してしまったんです。その経験がきっかけで、農薬が及ぼす影響について真剣に考えるようになりました。」その後、自然農法で野菜を作ることを目指して静岡の自然農法大学校で農業を学び、卒業後に就農した石井さん。ご自身が生まれ育った上里町で農業をすることは、この地の環境を守ることにも繋がります。

「この辺りの土は昔利根川が氾濫して堆積してできたもので、地形の違いで堆積の仕方(深さなど)もまちまちなため、畑によってそれぞれ栽培に適した作物も違うんです。作物の出来もよく本当にここは農業に適した土地だと思いますよ。」現在、5名のスタッフとともに50枚の畑で季節ごとにさまざまな野菜を作っています。

キャプション 石井農園代表の石井さん

一人でも多くの人の手に取ってもらいたい

キャプション 収穫間近のたまねぎ

「一昔前と違って『農薬を使わないのだから虫食いだらけでも良い』ということはないんです。もちろん美味しいということが大事ですが、消費者の手に取ってもらわないと意味がない。だからキレイに袋詰めするなど出荷の方法にも気を配ってます。」一つ一つの話がとてもわかりやすくて理論的。単に野菜を作るということだけではなく、ビジネス的な観点で緻密に取り組んでいることが、就農9年目にして50枚もの畑を切り盛りできる秘訣なのかもしれません。

「これからもこの土地で、子供たちが安心して食べて暮らして行ける環境を作りたいです。」とおっしゃる石井さんは現在29歳。なんとこの若さで3人のお子さんのパパ。一見穏やかな雰囲気ですが、心にはとても熱いものが流れる頼もしい好青年でした。

 

キャプション 収穫間近のたまねぎ
 
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